学校生活における注意点
- 監修: 医療法人財団 荻窪病院 血液凝固科 部長 鈴木 隆史 先生 臨床心理士 小島 賢一 先生
体育の授業、スポーツ
体育の授業やスポーツは、出血予防の対策をすればふつうに参加できます。積極的に体を動かすことは心身ともによい影響を与えると考えられています
治療法が進歩した現在では、スポーツへの制限が少なくなっており、出血予防を十分に行えば、体育やクラブ活動に参加できます。しかし、どういうスポーツが適当なのか、どういう注意が必要なのかは、その子の病気の状態によって一人ひとり異なります。そのため、体育の授業内容が事前にわかれば、保護者に注意事項を確認しておくのもよいでしょう。
先生方へのメッセージ
運動には、筋力を強化して関節への負担を軽減するメリットがあります。
また、友達と同じように、体育の授業やクラブ活動に参加できれば疎外感も解消されます。スポーツすることを過剰に心配するのではなく、強い身体作りをサポートしてあげてください。
勧められるスポーツ
特に、水中では関節にかかる負担が小さくなるため、血友病の子どもには水泳が推奨されています。ただ、血友病ではない子どもと同じく、プールサイドでの転倒には注意してください。
避けたほうがよいスポーツ
原則として、制限が必要なスポーツはないと考えてよいです。しかし、体と体がぶつかるスポーツ、特に格闘技や関節に負担がかかりやすいスポーツについては家族や主治医とよく相談してください。米国血友病財団によるスポーツのリスク分類の表をご参考ください。
■米国血友病財団によるスポーツのリスク分類
リスク分類 | スポーツの種類 |
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低リスク |
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中リスク |
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高リスク |
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リスク分類はあくまでも目安です。
*:運動の種類や量により出血リスクが変わることがあります。
**:運動の種類や量により特に出血リスクが大きく変わるため、十分な注意が必要です。
Playing It Safe, Bleeding disorders, sports and exercise. National Hemophilia Foundation, 2017を参考に作表
(出典)「Challenge! Your Life」監修:備後真登,近澤悠志,2017年6月作成, p15
スポーツを行う場合の注意点
通常、スポーツを行う血友病の子どもは、医療機関の指導を受け、家庭で出血予防のための薬を注射するなどの対策をしていますが、それでも出血を繰り返す場合、また種目や運動の強度を変更する際には、薬の量や注射のタイミングなど治療の見直しが必要な場合もあります。
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また、基本的なポイントとして、スポーツをするときは、足に合う靴をはくことが大切です。関節への衝撃を和らげるため、クッション性のよい靴や足首を覆うハイカットの靴を選ぶ、靴底にインソールを入れる、スポーツ用の装具やサポーターを着用するなどの工夫についても、保護者や主治医に相談してみてはいかがでしょうか。
武道の授業を行う場合
体育の授業で剣道、柔道、相撲などの武道を行う場合もあるでしょう。これらの授業も、血友病だからと過剰に心配して見学にする必要はありません。注意点を理解した上で、適切な指導をすることが大切です。
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