こんなときどうする?-乳幼児編ー
- 監修: 九州大学病院 小児科 助教 石村匡崇 先生
本人への病気の説明
子どもが「なぜ自分だけが注射をしなければならないのか」と疑問を抱くようになりました。まだ小さい子どもにどう教えればよいでしょうか︖
お子さんの成⻑や状況に合わせた説明や対応が大切です。
子どもへの説明の前に
3歳、4歳...と大きくなってくると、子どもは他の子と自分の違いに気がつき始め、「どうして注射するの?」「どうして、みんなと同じように遊べないの?」と、いろいろな疑問を抱くようになります。お子さんの疑問や不満、不安を受け止めるためには、まずご家族が病気のことを理解し、受け止める必要があります。そのうえで、お子さんに説明してあげましょう。
子どもの理解や納得を得るための工夫
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子どもの年齢に合わせ、伝わりやすい言葉を選ぶ
「どうして」と質問されたときに、できるだけ短く、やさしい言葉で答えてみましょう。
「どうして注射するの?」「血が出ちゃうから」「なんで血が出るの?」...と、一問一答のように進められると、理解が進みやすいでしょう。 -
注射のことをどう思うか聞いてみる
疑問の奥に、治療への不満や不安があるため、ゆっくり気持ちを聞いて不安を受け止めてあげてください。そのとき、病気についても少しずつ説明をするとよいでしょう。
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他の血友病の子とふれあう
血友病の子が対象のサマーキャンプなどに参加すると、他の子も注射しているので安心したり、友だちとかかわるうちに病気の特徴に気づいていったりすることがあります。
病気のことをすぐにわかってもらうのは難しいものですが、まずは、「血が出やすい、止まりにくい」こと、「注射をすれば血が出るのを防ぐことができる、血が出てもすぐ止めることができるので、他の子とそんなに変わらない」ことを繰り返し説明しましょう。それとともに、病気になったのは自分のせいではないこと、お父さんやお母さんも一緒に病気と付き合っていくことを伝え、安心させてあげるとよいでしょう。