乳幼児期によくある出血と手当て

  • 監修 :九州大学病院 小児科 助教 石村匡崇 先生

出血を防ぐ環境づくり

生活環境の工夫で、出血のリスクを減らすことができます。

めまぐるしく変化する乳児期

乳児期、特に生後5~6ヵ月から歩き出すまでの間は、子どものからだがどんどん発達し、動き方や動ける範囲もどんどん変化するため、細かな対策が必要です。

生後
5〜6ヵ月

寝返りができるようになる時期

寝返りができるようになる時期

寝返りでからだをぶつけないよう、段差、転落などに気をつけましょう。また、何でも手に取って口に入れてしまう時期なので、とがったものや角のあるものに注意が必要です。

生後
7〜9ヵ月

ひとりすわり、ハイハイの時期

ひとりすわり、ハイハイの時期

まだ上手にバランスが取れず、座っていても急に後ろに倒れたりするので、背中にクッションを当てるなど配慮しましょう。ハイハイしながら壁や床で頭を打つ場合もありますので、壁や床は柔らかいもので保護しましょう。

生後
10ヵ月〜1歳

つかまり立ち、伝い歩きの時期

つかまり立ち、伝い歩きの時期

しりもちや転倒が増えます。引き続き、壁や床、テーブルの角などを柔らかいもので保護したり、敷居などにはマットを敷くとよいでしょう。家具の前に大きなぬいぐるみなどを置くのも衝突防止になります。おしりにパッドを入れることで臀部出血の予防もできます。

遊びが活発になる幼児期

1歳を過ぎてからは歩く・走るが上手になり、保育園・幼稚園に入る頃にはよちよち歩きの面影はなくなります。遊ぶときも駆け回ったり、飛んだりはねたりと活発になり、ケガにつながることも多くなります。

1歳〜1歳半

ひとり歩きができるようになる時期

ひとり歩きができるようになる時期

まだ転倒しやすいので、引き続き壁や床、家具類を保護します。また、子どもが遊ぶ部屋はなるべくものを置かず、広く使うようにしましょう。

1歳半〜2歳

走れるようになる時期

走れるようになる時期

年齢が進むごとに遊びの内容や動きが活発になっていきます。ひじやひざにクッション代わりのアップリケをつけたり、ボタンなどの硬い部品のついた服を避けたりするなど、服へのひと工夫で外傷や衝撃を防ぎましょう。足首はサポーターや2枚重ねの靴下で保護し、ハイカットの靴を履かせるのがおすすめです。かかとのないサンダルは関節の負担になるので避けましょう。

3歳

友だちと活発に遊び始める時期

友だちと活発に遊び始める時期

子どもにもある程度の理解力や気づかいが身についてきます。一緒に遊ぶ子どもたちやその保護者に「ぶつからないでね」などと話しておくと、子ども同士で注意し合ってくれることもあります。