乳幼児期によくある出血と手当て

  • 監修 :九州大学病院 小児科 助教 石村匡崇 先生

乳幼児期よくある出血

血友病の人は血が止まるのに時間がかかります。どんなときにどんなところから出血しやすいかを知っておくことが大切です。

出血しやすい部位は年齢によって異なる

出血は、切り傷や手術といった一般的な「目に見える血が出た」という症状以外にも、頭の中、皮下、筋肉、関節のように出血が目に見えないからだの部位でも起こります。出血しやすい部位は成長に伴い変わります。

出血しやすい部位は年齢によって異なる
出血しやすい部位は年齢によって異なる

乳児期によくある出血

乳児期に見られる主な出血は、皮下出血や口腔内出血、頭蓋内出血です。

生まれたばかりの頃は、まだ血友病とわからないことも

新生児に近い頃の赤ちゃんは、自分から動き回る範囲が少ないため、あまり出血するようなことはありません。生後6ヵ月を過ぎた頃からだんだん行動範囲が広がって、寝返りやハイハイをきっかけに症状に気づくことが多いようです。

赤ちゃんに起こりやすい出血は?

赤ちゃんはからだに比べて頭が大きく、運動機能が未熟なため、上手にバランスが取れません。そのため、ハイハイやつかまり立ちのときに、家具にぶつかったり、転んだりして、皮下出血や口腔内出血がよく見られます。
また、頭蓋内出血も、他の年齢より起こりやすいので要注意です。乳児に起こる頭蓋内出血は頭部打撲などの明らかな原因がない場合も多いといわれています。発熱、不機嫌、嘔吐、なんとなく元気がない、顔色が悪い、けいれんなどの症状は頭蓋内出血を疑うサインです。すぐに受診しましょう。血友病患者さんの場合は、打撲後にゆっくりと頭蓋内出血が広がることもありますので、頭部打撲後は時間が経っていても注意が必要です。

幼児期によくある出血

幼児期になると、足首やひざ、ひじなどの関節内出血、鼻出血も多く見られるようになります。

2~3歳以降は活発さが増す

2歳を超え、子どものからだがしっかりしてくると、子ども自身も活発になり、その分、出血のリスクが高くなります。走る、飛びはねる、遊んでいて他の子とぶつかるなどの理由により、青あざだけでなく、すり傷や切り傷などの出血も多くなってきます。

幼児期に起こりやすい出血は?

からだが発達して元気に遊び回るようになると、ケガだけでなく、関節内や筋肉内に出血を起こすリスクも高くなってきます。また、自分で鼻をさわったりすることにより、出血することも少なくありません。