こんなときどうする?-治療と生活編-
- 監修: 広島大学病院輸血部 部長 藤井 輝久 先生
奈良県立医科大学附属病院小児科 教授 野上 恵嗣 先生
出血を伴う検査や治療を受けるとき
血友病以外の検査や治療を受けるときに、気をつけることはありますか?
A1
内視鏡検査などに注意
外科手術を受ける場合は、凝固因子レベルを正確にモニターできる検査室を備えた医療施設(血友病センターなど)を主治医から紹介してもらい、事前に凝固検査を行ってから受ける必要があります。
また、主治医との連携のない施設で内視鏡検査などを受ける場合も注意が必要です。出血を伴う検査を行うこともあるため、必ず事前に血友病であることを伝えるとともに、必要に応じて検査前に製剤の注射をしておくなどの準備をしてから臨みましょう。
A2
歯科治療では治療内容の確認を
歯科治療の内容によって出血の程度は異なります。抜歯の場合はたくさんの出血が予想されるため、製剤の注射が必要ですが、それ以外の治療は、出血がない場合や、あっても少量の場合がほとんどですので、製剤の注射が不要の場合もあります。受診前に予め治療内容と出血の有無を確認しておくと適切な止血管理ができます。
また、抜歯や大量の出血が予想される治療の際は、できれば血友病患者さんの治療経験がある歯科医を選び、緊急時に備えて主治医と連絡が取れるような体制を取っておくと安心です。
医療施設に事前に伝えておくべきこと
- 血友病の種類・重症度
(可能であれば、凝固因子活性) - 血友病治療で受診している医療施設名・主治医の連絡先
- 血友病の治療状況
(製剤の投与状況、自己注射の有無など)
- 血液を介する感染症(肝炎・HIVなど)の有無
- 歯科治療の経験※
(特に、抜歯の経験とその際の止血方法)
※歯科治療を受ける場合