こんなときどうする?-治療と生活編-
- 監修: 広島大学病院輸血部 部長 藤井 輝久 先生
奈良県立医科大学附属病院小児科 教授 野上 恵嗣 先生
災害に遭ったとき
地震などの災害に備えて準備しておくべきことはありますか?
何よりも製剤を確保できるようにしておかなくてはなりません。
主治医に、緊急時でも相談できる連絡先を聞いて、「緊急カード」などに書き込んでおきましょう。
災害が起こってから公的な支援が始まるまで3日程度かかることを想定し、製剤や関連器具は1週間分を備えとして準備することをお勧めします1)。また、自宅以外の場所で被災する場合もありますので、職場や学校などにもストックしておきましょう。
- 1) 平成28年度厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等克服研究事業 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)「難病患者の地域支援体制に関する研究」班 『災害時難病患者個別支援計画を策定するための指針』改訂版 2017年,p40.
緊急時に注射できる場所を見つけておきましょう
監修:荻窪病院 血液科 長尾 梓 先生
荻窪病院 看護部 和田 育子 先生
自宅以外の場所で被災した場合は、帰宅が困難になることも考えられます。凝固因子製剤は自宅だけでなく、職場にもストックしておきましょう。また、会議室など人目を気にせず注射できる場所を見つけておく、職場の近くの医療機関を調べておくと安心です。
災害時に限らず、旅行先や外出先で急に注射が必要になることもあります。凝固因子製剤を常に携帯する、事前に出先付近の病院を確認しておくなど、緊急時に備えておくことが大切です。病院や薬局といった医療機関だけでなく、駅や空港の救護室、ホテルやデパートのトイレ、派出所(交番)など、注射ができそうな場所を日頃から見つけておきましょう。医療機関以外の場所で注射する際には、患者手帳などを提示しながら説明するとよいでしょう。
- ※ インスリン製剤を扱っている薬局では、 針などを廃棄してくれるところがありますので、 聞いてみるとよいでしょう。