血友病の治療
応急処置
広島大学病院輸血部 部⾧ 藤井輝久 先生
奈良県立医科大学附属病院小児科 教授 野上恵嗣 先生
出血時の応急処置は、「補充療法」と「RICE」です。
出血した部位や程度に合わせて、これらの処置を行います
R
Rest(安静)
出血が起きたら、まずは出血部位を動かさないことです。
また、凝固因子製剤の注射後は、凝固因子が破れた血管を補修する働きをしています。
補修された血管がまた破れないよう、安静にしていましょう。
I
Icing(冷却)
出血部位を冷やすと、血管が収縮して、早く出血が止まります。また熱を吸収して痛みを軽くする効果もあります。冷やすための湿布薬を病院からもらっておいて、持ち歩くと安心です。
C
Compression(圧迫)
切り傷など表面に見えるケガのときは、流水で傷口を洗い、清潔なガーゼを当てながら押さえて血を止めます。傷が深いときや出血が止まらないときは、病院に連絡をして対処法を聞きましょう。
E
Elevation(挙上)
出血部位を心臓より高いところに上げ、血液が流れにくくすると、早く血が止まります。この姿勢で痛みを伴う場合は、無理しないようにしましょう。
ケガで出血したときは応急の止血を
凝固因子製剤がすぐに注射できない場合、応急処置として、まずは「R・I・C・E」を参考にしてください。時間はかかりますが、小さな傷は圧迫すれば止血できます。大きな傷のときは応急処置を行い、できるだけ早く病院に行きましょう。
出血した部位に合わせて対処を
どこから出血したかによって対処法が違います。凝固因子製剤の注射が必要な場合はできるだけ早く行います。