はじめに
「血友病」とは、血が固まるのに必要な血液中のタンパク質(血液凝固因子)が生まれつき不足しているために、止血に時間がかかる病気です。
血友病の患者さんは出血に伴う併発症の後遺症で痛みや障害を抱えることもありましたが、現在では治療法が進み、適切に管理をすれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を送れるようになりました。 ただしそのためには、ご本人や周りの方々が、血友病の正しい知識を持って対応することが大切です。
この冊子では、血友病と診断されたときに、患者さんご自身あるいはご家族が知っておきたい情報をまとめました。
また、大人になった患者さんの日常生活に必要な情報の確認にもご活用いただけます。
血友病だからといって、いろいろなことをあきらめる必要はありません。
より安全に、より快適に、病気とうまく付き合いながら、毎日を過ごすためのヒントを見つけていただければ幸いです。
広島大学病院輸血部 部⾧ 藤井輝久 先生
奈良県立医科大学附属病院小児科 教授 野上恵嗣 先生