学校生活における注意点
- 監修: 医療法人財団 荻窪病院 血液凝固科 部長 鈴木 隆史 先生 臨床心理士 小島 賢一 先生
よく見るケガと応急処置のポイント
目に見える出血
擦り傷、切り傷、鼻血、口の中の出血
すぐに圧迫止血をします
止まらない場合は凝固因子製剤の注射が必要です
目に見える出血は慌ててしまいがちですが、少ししっかり対処することで止血できる場合が多いです。
ケガの種類 | 応急処置のポイント |
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擦り傷・切り傷 |
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鼻血 |
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口の中の出血 |
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目に見えない出血
ぶつけた、ねんざ、骨折の疑い
すぐに冷やします
凝固因子製剤の注射が必要な場合もあります
痛みや腫れがひどい場合は、動き回ることで出血が続き、回復までに時間がかかってしまうため、早く凝固因子製剤を注射する必要があります。
程度が軽い場合は安静にしたあと帰宅させ、その後は保護者の判断にゆだねましょう。
ケガの種類 | 応急処置のポイント |
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ぶつけたとき |
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ねんざ・脱臼 |
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骨折の疑い |
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目に見えない出血
手足の状態や動きがおかしい
関節や筋肉内出血の可能性があります
凝固因子製剤の注射が必要となる場合があります
関節や筋肉など外からは見えない部分で出血すると、痛みで曲げ伸ばしができない、出血した場所をかばうなど、いつもと違う動きがみられます。
関節や筋肉の出血を繰り返すと、そのまま歩き方がへんになったり、関節が悪くなったりする可能性がありますので、その都度、確実に治すことが大切です。
出血の部位* | 応急処置のポイント |
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足首、ひざ、肘などの関節内出血の場合
痛みでうまく歩けない、曲げ伸ばしができない、腫れや熱感があるなどの特徴があります |
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筋肉内出血の場合
足をひきずる、足が伸びないなどの特徴があります |
*関節内出血を起こしやすい関節や、筋肉内出血を起こしやすい筋肉については血友病の症状もご覧ください。
目に見えない出血
頭を強く打った、高いところから落ちた
よく観察して変調があれば、保護者に連絡し、重症なら救急車を呼びます
頭を打ったときに頭蓋内出血を起こす危険性は、血友病の子どももそうでない子どもも同じです。 血友病だから頭蓋内出血を起こしやすいわけではないので、過度に心配しすぎることはありません。ただし、出血したときに治療が遅れると、出血量が増えて症状が悪化する可能性があるため、症状をよく観察しましょう。
症状の程度 | 応急処置のポイント |
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軽 症
意識があり元気な様子 |
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重 症 (頭蓋内出血を起こしている可能性が考えられるとき) 意識がない、けいれんしている、頭痛、吐き気、ボーっとしている |
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