血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

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支えてくれた母に、家族に、心からの感謝を伝えたい(1)

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血友病A重症型の伊藤さん(仮名)と高橋さん(仮名)は、現在20代。それぞれ介護職と営業職に就き活躍していますが、子ども時代は家庭輸注や通院の付き添いなど、ご家族のサポートが不可欠だったといいます。ご家族との思い出、サポートしてくれたご家族への思いを伺いました。

ご家族との思い出・サポートしてくれたご家族への思い(伊藤さん)

現在の自分がいるのは家族のサポートのおかげ

小学校に入学する頃からずっと、母が注射をしてくれていました。中学生の頃にかかりつけの病院を変え、この年代になると自分で注射をしている人が多いと知って自己注射を始めました。このとき初めて自分の病気に向き合ったように思います。自分で自分の腕に針を刺すということに抵抗があり、うまく血管に入らないこともありましたし、一度失敗したことで余計に失敗が怖くなり、ますます苦手意識を持ってしまいました。注射は再び母に頼ることが増え、林間学校にも同行してもらったのです。さすがに母に申し訳なく思い、修学旅行では自分で打てるように、入院して自己注射をマスターしました。

父は仕事で忙しくいろいろ母に任せているので、母が一家の中心的存在です。母は行動的な人で、患者会などに参加して病気に関する情報を集めたり、専門性の高い病院を探したり、小中高と学校に出向いて病気について先生に伝えたりするなど、私のために動いてくれました。幼い頃はそれを当たり前のように思っていましたが、自己注射をきっかけに私自身が病気に向き合ったとき、こんなに大変なことをしてくれていたのだ、守られていたのだと知りました。母が私以上に病気に向き合って、熱意を持って育ててくれたからこそ、関節が悪化することなく成長できて、現在も社会生活を送れているのだと思います。とても感謝しています。

病気があったからこそ何でも話せる関係に

母のサポートは、現在も続いています。介護職という体を使う職業なので、体の動かし方や運動などについてアドバイスをくれたり、足を痛めたときには車で送迎してくれたこともあります。体重が増えすぎると関節に悪影響が及ぶので、食事にも気を遣ってくれます。母がバランスや栄養を考えたおいしい料理を作ってくれるので、我が家では外食するのは特別な機会だけです。私も黙って食べるのではなく、料理の感想を伝えるように心がけています。参考になる、と母は喜んでくれます。

私は家では自室よりリビングにいることが多く、両親とテレビでスポーツ観戦をしたり、政治や経済などの社会問題について話したりしています。食卓も家族全員で囲み、一緒にお酒を飲みながら話す夜もあります。何でも話せる親子関係が築けたのは、病気があって、幼い頃から足の痛みなど自分の状態について話す必要があり、親も意見や考えを私に伝える必要があったことが影響しているのではないでしょうか。病気の存在がよい方向に導いてくれたのだと思います。

節目節目で感謝を形に表して

健康で暮らせることが一番の幸せだと感じながら毎日を過ごしています。そう思うのも、健康の大切さを両親に教えられてきたからですね。介護職という体力的にハードな職業に就いたこともあり、両親は体への負担を心配しているようで、仕事についてもよく話題になります。人手不足の業界であり、無責任に辞めることはもちろんできませんが、両親の思いはありがたく感じています。

社会人になってからは、節目節目で家族への感謝の気持ちを形で表現できるようになりました。初任給が出たときは食事に誘ったり、母の日などにもプレゼントを贈っています。忙しくてなかなか時間がとれませんが、いつか両親を旅行に連れて行けたらいいですね。これからは私がもっとしっかりして、支える側に回りたいと思っています。

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