血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

ECHO身近な相談室

小学校入学時の周囲への説明

イラスト

荻窪病院 血液凝固科 臨床心理士 小島 賢一


小学校に入学するときなど、子どものお友達の親御さんや先生方に、血友病をどのように伝えればよいでしょうか?(6歳血友病A患者の母親)

お子さんの症状、活発さ、幼稚園のママ友には話していたのか、ご家庭の方針などで対応は大きく変わります。ここで全てを検討することはできませんので、伝えることを前提に考えてみましょう。

ママ友への説明

これまでは最低限、虐待などに間違われないように「痣のできやすい体質」「ぶつかると腫れやすい」程度の症状は、ママ友に事前に伝えておいたのではないでしょうか。学校でも同様です。まずは症状を中心に伝えてみましょう。ただ、学校では幼稚園にはない活動も増えますので、もう少し学校生活を想定して具体的に説明したいところです。例えば、出血で痛みを覚えたお子さんが掃除当番を代わってもらったのに、翌日には校庭で走り回っているとしたら、昨日代わってあげたお友達はズル休みや仮病と誤解するかもしれません。また、痛みをカバーする歩き方がいじめやからかいの原因になってもいけません。あらかじめ、ママ友からお子さんのお友達に、「関節が悪くて、注射をしないと痛みがひどくなるそうよ。でも注射をして寝ていれば、翌日にはよくなるんですって」といった内容を伝えてもらえるといいですね。

病名を伝えるかどうかは、最もナイーブな問題です。インターネットで検索すれば、いくらでも関連情報は調べられますが、全てが最新情報や正しい情報とは限りません。また遺伝病であることから、兄弟姉妹の学校生活にも影響が及ぶかもしれません。

その一方で、どんな小さなことでも、隠し事をしながら人とおつきあいするのはストレスが溜まりますし、一人でも理解者・協力者がいれば安心です。ですから、ママ友全員に病名を伝える必要はありません。信頼できると思える人がいれば、少しずつお話ししてみるのはいかがでしょうか。

学校の先生への説明

保護者としては学校での怪我が心配ですが、現在は多くのお子さんが家庭での定期補充療法を行っており、定期的に通院して、輸注記録を主治医にきちんと見せていれば、ひどい出血はそう起こりません。緊急時の対処方法について、「激しくぶつかったり、硬いものに頭をぶつけたりしたときは保護者にご連絡ください。私たちが対処して、主治医に連絡します」と、堂々と説明してください。それでも不安な先生がいらっしゃれば、製剤を学校に"念のため"に置いてもらう/病院の連絡先を伝えておく/医師に補足説明をしてもらう/対応を書いた冊子を渡す等の対策がとれます。担任の先生からクラスの子どもたちに、症状だけを体質として、簡単に説明してもらうのも有効です。心配だからといって、保護者が一度に過剰な情報を伝えると、先生はお子さんを責任持って守れるのか不安になります。お子さんを初めて幼稚園に送り出したときのことを思い出して、勇気をもって対応してください。

L.JP.MKT.OH.03.2018.2909

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