血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

《close-up》

娘として、保因者として(2)

結婚についてどう考えていましたか?

和恵さん

東日本大震災を機に地元に戻ってから、吹奏楽が縁で高校時代の部活動の先輩である夫と再会し、交際を始めて結婚にいたりました。私が保因者であること、また血友病の子どもを産む可能性があることを、いつどのように夫に伝えたのか思い出せないのですが、そのときの夫の言葉はよく覚えています。

「その時考えればいいじゃない。子どもができたら。」確かにその通りだな、と気持ちが楽になりました。

将来子どもを持つことについてどうお考えですか?

和恵さん

生まれる子どもが血友病であっても、不安はありません。それは父を見てきたからです。父は、結婚して子どもを2人もうけましたし、普通に暮らして、60代の今も現役で仕事を続けています。血友病であることで多少の不便があっても、視力が悪ければ眼鏡をかけるように、ほかのもので補えばいいだけだと考えています。

結婚したばかりの今は、共通の趣味である吹奏楽や旅行などを夫と楽しむ毎日ですが、子どもがいる未来を思い描くこともあります。楽器を習わせたいな、スポーツが好きかもしれないな、などと想像するのは楽しいですよ。

保因者の父として…

鈴木さん

今は、娘のほうが医療の知識があり、私にできることは少ないでしょう。近くに住んでいますから、今後血友病の子どもが産まれたとしたら、妻が活躍してくれると思います。長年私と生き、患者会に参加するお子さんたちも見ていますから、血友病患者への対応や、節目ごとに生じる問題などにも深い理解があります。祖母として力を発揮してくれるのではないでしょうか。

20代の頃から40年にわたって、私は患者会の活動に携わってきました。患者会では、定期的に医師の先生方をお招きして、勉強する場を設けています。しかし、血友病の兄弟や息子さんがいても、自身や娘が保因者である可能性に気がついていないお母さん方は意外に多いんですね。

現在は多くの情報が提供されていますから、まずは勉強して正しく理解することが大切だと思います。子どもが血友病である可能性に不安を抱き、現実を受け止めることがつらい方にこそ、現在は定期補充療法によって多くの若い人たちがスポーツを楽しんだり、普通に生活したりしていることを知ってほしいと思います。正しい知識を持って現実と向き合った上で、起こりうる問題を想定してリスクを避けることが、大切ではないでしょうか。

保因者として…

和恵さん

保因者ですから、出産するときは、母子両方のリスクに対応してくれる医療機関を選ぶことになります。でも、自分が暮らす街のどの医療機関であれば保因者の出産を受け入れてくれるのか、わかりません。ここでは産める、ここでは産めない、血友病の子どもが産まれたらここでフォローしてくれる、あるいは大病院と地域のクリニックが提携していて地域で治療できる、というような、具体的な情報が欲しいですね。そういう情報が、出産に向けて、私だけでなくほかの保因者の背中を押してくれると思います。

和恵さん

保因者であることで漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃると思いますが、何が不安なのかを具体的にすると、どんな情報が必要かが明確になり、不安の解消につながるのではないでしょうか。昔よりはずっと情報を得やすくなってきたとはいえ、保因者向けの情報はまだ充実しているとは言えません。そんな中で、必要な知識をどこからどう得るか、家族で話し合っていけたらいいですね。

L.JP.MKT.OH.03.2018.2909

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