血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

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水泳部でのハードな練習の日々が僕のパワーに(2)

定期補充療法によって、生活も部活も制限を感じないで済む

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僕は、定期補充療法はしたほうがいいと思っています。特に自分は重症型なので、出血してからでは何かあった時に対処できない場合があると思っています。たとえば片腕に大きなけがをしたら、自分ではもう注射できません。助けが来るまでに大量の出血をしてしまう可能性があります。逆に、きちんと定期補充療法を続けていれば安心感がありますし、スポーツをすることも可能です。


自分は中学、高校ではずっと水泳部に所属して、他の部員と同じハードな練習をしていましたし、合宿にも参加しました。合宿では、朝・昼・夕にそれぞれ5千メートルずつ、1日で1万5千メートル泳いでいましたが、毎朝必ず少し早起きして、用意してもらった別室で注射を打っていたので、十分ついていくことができました。水泳部での経験は、メンタルを鍛える上でも大いに役に立ったと思います。先輩に、あいさつの仕方から掃除の仕方まで細かく指導されますし、少しでも遅刻すればすごく叱られる。とにかくハードでしたが、これまでやってきてよかったと思っています。

定期補充療法を続けるには、習慣にしてしまうことが一番です。自分は、子どもの頃から朝学校に行く前に注射するのが習慣となっていたので、注射を負担に感じることはありませんでした。スポーツをやりたいと思う気持ちがモチベーションにつながっていたのかもしれません。現在は受験を控えて休部中ですが、筋トレはするようにしています。定期補充療法を続けていれば、「血友病だから」という制限を感じずに、スポーツに打ち込めます。

将来は、人の生活に役立つモノづくりをしたい

大学では、人の生活に役立つようなものの設計・開発や企画を勉強したいと考えています。たとえば、高齢者がスーパーで買い物をする時、重いかごを持ち上げたり運びやすくしたりするためのシステムの開発などです。はじめは電気関係の勉強をしたいと思っていたのですが、白衣を着て細かい作業をするのが自分には向かない気がして、いろいろな学科のパンフレットを集めて全部調べ、自分がやりたいと思える勉強ができる学科を見つけました。子どもの頃から病院で、先生や看護師さんが患者さんを助けるのを見てきたので、人を助ける仕事につきたいという漠然とした考えがあったのかもしれません。

大学では運動系のサークルに入りたいです。水泳はもう十分やったので、まったく違うスポーツをいろいろ経験してみたいと思っています。これまでは男子校で女の子とは縁のない生活だったので、大学での学生生活やサークル活動が楽しみです。

血友病だからこそ適度な運動を

中学、高校と水泳を続けてきて思うのは、血友病であっても運動はしたほうがいいということです。生活習慣病になる可能性などを考えると適度な運動は絶対必要です。家族の方も、絶対にしてはいけないこと以外は、制限を設けたり必要以上の心配はしないでいいと思います。自分自身がやりたいと思ったことはまず挑戦してみて、それで危ないと思えばやめればよいですし、たとえ危ないと思っても、楽しい、続けたい、と思えばきちんと定期補充療法をしながら続ける、という選択もあります。

やりたいことを続けているうちに感覚が鍛えられてきて、危ないことが少なくなっていく場合も多いと思います。進学を機にスポーツを始めたいけれどどうしようか、と悩んでいる人には、まずはやってみることをおすすめします。


※最適な治療法や製剤輸注量・輸注回数は、患者さんごとに異なります。ご自身の治療については、主治医と十分にご相談ください。

お役立ち情報

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