血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

ECHO身近な相談室

学童期の中等症型患者さんの補充療法

産業医科大学病院 小児科 佐藤 哲司


中等症型血友病Aと診断されて出血時補充療法を 行っていますが、部活を始めてから出血を繰り返すように なりました。今の治療法のままでよいのでしょうか? (12歳血友病A患者の母親)

表

どんなスポーツをされているかが気になります

血友病患者さんが行うスポーツを安全度別に3つに分類した米国血友病財団の資料(表)によると、例えばラグビーなど身体の激しい接触があるスポーツはお勧めできません。現在の部活が勧められないスポーツに該当するようであれば、一度主治医の先生と、お子さんを含めたご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

関節障害が起こらないかも気になります

最近出血を繰り返しているとのことですが、関節の出血でしょうか? もし、短期間の内に繰り返し同じ関節に出血しているのであれば、のちに関節障害を来す可能性があります。そうなる前に主治医にご相談ください。

まずは、予備的補充療法の勧め

さしあたっては、部活動を続けることがお子さんの希望だと思います。中等症型でも出血を繰り返す方はいらっしゃいますし、血友病性関節症を合併することもあります。

お子さんの場合は、部活動に伴う出血が多いようですので、まずは予備的補充療法により、出血を予防できると思われます。この予備的補充療法というのは、スポーツやイベント、あるいはリハビリテーションなどによる出血を防ぐ目的で、あらかじめ製剤を補充する治療法のことです。凝固因子製剤は、一般的に半日~1日ほど効果が期待できますので、朝もしくは予定されている活動の前に製剤輸注を行うと、その日は十分に活動を楽しむことができます。輸注量は、運動の内容によって多少違いますので、これも主治医とご相談の上決めてください。

ただし、予備的補充療法を行うに当たっては、まず、血友病に関する知識をしっかりと身に付ける必要があります。加えて、注射の手技を習得しておくとよいでしょう。12歳であれば、自己注射の習得が可能な年齢ですので、ぜひ、トライしてみてはいかがでしょうか。

お役立ち情報

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