血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

《close-up》

長生きの秘訣は、希望と目標を持つこと(2)

信頼できる医療者との出会い

信頼できる医療者との出会い

仕事を60歳で定年し、60歳も半ばを過ぎた頃、歯槽膿漏で12本の歯を一度に抜歯することになって血液科を併設している病院に入院しました。出血が止まらないのに退院させられ、その翌日にひどい貧血を起こし、めまいや動悸でふらふらで、救急車を呼んで再入院。あんなひどい貧血は経験したことがありませんでした。

そんなことがあって、やっぱり血友病の専門病院に診てもらおうと考え、以前から聞いていた今の病院を受診しました。先生方とは家族のことも含め、何でも話ができますし、今では「先生に命を預けます」と言えるくらいの信頼をおいています。


先生方から丁寧な指導や助言を受け、自己注射も始めました。自分でやらなければと思える雰囲気作りをしてくださったのも後押しになったと思います。老眼ではありましたが、日々の練習です。60歳代後半でも始めることができましたから、意欲を持ってチャレンジしてみることは大切だと思いました。

年齢を重ねて感じること

今は1、2ヵ月に1回、1時間くらい電車とバスを乗り継いで通院しています。膝が悪いので階段、とくに下りはたいへんです。遠回りしてもエレベーターやエスカレーターを使うようにしていますが、エスカレーターは上りしかないことが多いですし、乗る時にうまく足が上がらなくて、つまずきそうになることもあります。いざという時に手すりをつかめるよう、通院の時は杖を使わず、両手をあけるようにしています。

注射は、主治医の先生から週に1、2回打つように言われていますが、肘の関節が悪くなっているので自分では打ちづらくて、うまく針が刺さらず何度も失敗することがあります。痛みそうな時や出かける時は自分で注射するようにしていますが、同居している娘に病院で注射の指導を受けてもらったので、時々打ってもらうこともあります。通院時に注射をしてもらったり、調子の悪い時は訪問看護師さんにお願いをすることもあります。年齢を重ねると自分でできていたこともできなくなることが増えてきますから、家族もそうですが、色々な方にサポートをしてもらっています。

自信がもたらした長生きへの意欲

今の病院では2度手術を受けました。若い頃に盲腸で怖い思いをしているのでなかなか決心がつかなかったのですが、「大丈夫だからやりましょう」という先生の励ましがあり、4、5日の入院で大きな胆石を取ってもらうことができました。先生への信頼がなければ決断できなかったと思います。胃のポリープも取ってもらいました。

血友病でも手術できるのだと自信がつき、もう少し長生きできるかなと意欲が出てきましたし、現在は、先生に勧められた肝炎の治療もしています。

血圧が高く、また糖尿病も指摘されているので、食事には気を付けるようにしています。規則正しい生活と腹八分目を心がけて朝昼晩、量は少なくても、少しずついろんなものを食べるようにしています。「野菜を先に、それからご飯。塩分は控えめに」と娘が指導してくれます。甘いものも好きなのですが、控えるようにしています。

月1回の温泉旅行を楽しむ日々

若い頃は映画や芝居を観に行ったり、博物館に行ったりとよく出かけましたが、年とともに体力も衰えます。ふだんは家でテレビを見て過ごしていますが、じっとしているのは良くないので、できるだけ目的を持って出かけるようにしています。

温泉が好きで、友人と「次はどこに行こう」と相談しながら温泉旅行を楽しんでいます。バスで出かけて温泉と食事を楽しむようなツアーが歩く距離が少なくていちばんお薦めです。調子が悪ければバスの中で待って加減することもできます。

患者会にもできるだけ参加しています。人前で話すのは緊張しますが、皆さんに伝えたいことがたくさんあります。いろんな情報を聞いたり、知らないことをアドバイスしてもらえるのも有難いですが、自分のことを話すのは励みになります。通院しているだけでは患者同士で話ができる機会はないので、患者会での出会いはとても貴重です。

昔、血友病患者は50歳まで生きられないと言われていましたが、私がこの年まで長生きできているのは、家族のサポートもそうですが、先生方や周りの皆さんのおかげだと思っています。皆さんのおかげで、色々なことに積極的になれましたし、自信が持てるようになりました。やはり、日々の暮らしに希望や目標を持って生きること、それが長生きの秘訣になるのではないかと感じています。

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