学校の先生方へ

血友病の子どもたちを担当される先生方へ

体育授業

どんどんやって強いからだをつくろう。準備運動を十分にしましょう。

しても良いスポーツ

しても良いスポーツ 水泳

  • 水泳は積極的に行う
  • スミングキャップの色分けは必要ない

しても良いスポーツ 野球

  • ヘルメットをつける
  • すべり込みを避ける

しても良いスポーツ ランニング

  • サイズがぴったりでクッションが良く、
    自分に適した運動靴を選ぶ

しても良いスポーツ サッカー

  • 足首の出血を注意する
  • ヘディングはなるべく避ける

水泳で出血することはまずありませんし、水中では関節にかかる負担も極めて少なくなりますので、むしろ積極的に行ってください。水泳の際にスイミングキャップの色分けも必要ありません。プールサイドで転倒した場合などは、どの子も同じように危険です。過度の対処によって傷ついている子どももいるので注意してください。
血友病の子どもには積極的に水泳を勧めており、筋肉をつけることは関節内出血を防止する意味でも重要です。血友病の子どもの中には水泳の代表選手もいます。

武道やダンスの授業について

中学生になると、柔道、剣道、相撲などの武道が体育の授業で行われるようになりました。血友病のような病気を持った子どもは、重症出血の危険があり注意が必要です。しかし、過剰に反応して全て見学にする必要はなく、病気について理解して適切な判断をしてください。
受け身や素振り、作法の練習などは問題ありません。ただ、経験の少ない生徒同士が試合をすることは、無理な負担がかかって危険ですので避けた方がよいと思います。頭を強く打って頭蓋内出血を生じたり、未熟な技で関節に出血する危険もあるので、試合は避けて審判の手伝いをさせるなどの方法で授業に参加させてください。

武道やダンスの授業について 柔道

  • 生徒同士の試合はやめる
  • 技の型や受け身の練習は良い

武道やダンスの授業について 柔道

  • 剣道の素足用サポーターもある

武道やダンスの授業について 柔道

  • クッションの良い運動靴をはく

やめたほうが良いスポーツ

格闘技の試合や関節に負担が強いスポーツ

同じ関節や筋肉に出血を繰り返している場合は、スポーツ用のサポーターや装具を付けたり、靴底にインソールを入れることもあります。自分の足に合った運動靴をはくと負担が少なくなります。リハビリによって筋力を強化すれば、関節への負担も軽減します。それでも出血を繰り返す場合には、必要に応じて予防投与を行います。

原則として、制限を要するスポーツはないと考えてかまいません。しかし、なかには重症型で頻繁に出血を繰り返している患者さんもいますので、そのような場合の注意についてお話します。

武道 柔道は受け身の練習などはかまいません。生徒同士の試合や関節技はやめてください。
剣道や相撲も同じく生徒同士の試合は禁止しますが、形の練習などはかまいません。
ダンス 足首や膝などの出血に注意してください。足の負担を避けるために、衝撃吸収性のよい靴を選んでください。
なわとび 足首の関節出血を起こしやすいので注意してください。
冬の朝などは準備運動をしっかりしま しょう。
跳び箱 足首を痛めている場合は要注意です。
サッカー 足首を痛めていない子どもは大丈夫です。足首の出血を繰り返すようならば中止してください。
鉄棒 高いところから落ちて頭を強打したときのみ注意してください。
マラソンなど 準備運動を十分にしておくこと。マラソン大会などの場合は、心配ならば予防投与をすれば安心です。
スキー 足首を固定するので出血の危険は少なく、膝をひねったりしなければ安全です。

学校の上履きの選択(全ての生徒に必要)

血友病の子どもたちは、足首や膝の関節、足の成長を守るために、靴の選択が大変重要になってきます。足への負担を軽くするために、自分の足の幅や形、かかとの高さに合った靴を履く必要があります。上履きとしてよく使われるバレーシューズやかかとが固定されないサンダルなどは足への負担が大きく、かかとの衝撃吸収性の良い安価なスポーツシューズを使用することが望ましいと思います。血友病の子どもだけ変更するのではなく、生徒全員の健康を守るためにも学校全体で考える必要があります。

重症型ではやはり運動はさせない方が無難なのですか?

むしろ、運動をさせた方が良いと考えられます。
血友病では関節の出血が大きな問題ですが、その対策の一つが筋力をつけて、関節への負担を減らすことです。運動不足や肥満は関節に悪影響を及ぼす結果となります。しかし、出血時には無理な運動をさせてはいけません。出血して痛みがあるかどうかは、本人が一番わかっていますので、その判断を信頼してください。ただ、子どもなので楽しかったり、仲間外れになりたくなかったりする気持ちから、黙って無理する場合もあります。足を引きずるとか、走り方や表情がいつもと違うといった様子が観察されましたら、一声かけてあげてください。

体育の見学時に軽い運動などをさせたいのですが、どんなものが良いのでしょう?

出血をしているときの見学の場合は、軽い運動もさせないでください。次に、激しい運動なので見学という場合、例えば柔道などでは受け身だけ、剣道なら形だけといった参加の仕方も考えられます。マラソンや高跳びなどでは計測係をするなど、授業に参加できる工夫をまず考えてください。その上で見学時の軽い運動という話であれば、負荷の少ない筋力トレーニングを、時間をかけて行うのが良いとされています(参照:学校の先生方へ 関節出血後のリハビリテーション)。なお、関節の動きが悪くなる寒い時期は、柔軟体操も慎重にお願いします。
また、たとえ出血しても本人が気にしていないことも多いので、悩まず本人と話してみるのも良いと思います。

クラブ活動はどんなものを勧めたら良いのでしょうか?

最近は定期補充療法の普及により出血症状が少なくなり、色々なスポーツに取り組んでいます。昔から安全な運動としてよく推奨されたのは水泳ですが、全員に絶対に駄目といったものもありません。音楽クラブで大きな楽器を担当して肘の関節を悪くした子どもがいますし、コンピューターのキーボードを叩きすぎて肘の出血をした子どももいます。逆に陸上や球技で猛練習してもほとんど出血しない子どももいます。やはり個別に考える必要があるでしょう。
一番大切なのは本人の希望です。筋力をつけることは関節内出血防止に良いので、本人が楽しみながら長く続けられることが重要です。そして、部活の内容以上に雰囲気も大切です。関節出血を防ぐためにサポーターや装具をして周囲から白眼視されたり、出血時にも休めないようなムードがあると、子どもは困ってしまいます。様々な子どもがいることを受け入れ、支援する温かい雰囲気があることが、クラブ活動を選ぶ上でのポイントになるでしょう。