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出血を予防することはできますか。
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1.定期的筋力強化により関節内出血を、歯みがきにより口腔内出血を予防しましょう。
2.不足している凝固因子をあらかじめ注射で補えば、出血を予防できます。
予防的な治療
関節を構成する骨に変化や変形が生じて、血友病性関節症に進展する可能性があります。関節症になると動きが悪くなり、痛みを伴うこともあります。治療製剤がない時代では関節症への進展は防ぎきれませんでしたが、現在では治療のための製剤があり、それを適切に用いることで多くの場合、関節障害を防ぐことができます。具体的には出血がなくても欠乏している凝固因子を補充するという方法です。
次の4 つの考え方があります。
- 重症型と診断された場合(1 次定期補充療法)
2 歳未満または最初の関節内出血後では、週2 ~ 3 回(1 回目標因子レベル20 ~ 40%)。
関節内出血をほぼ100%予防することができます。 - 出血が月2 ~ 3 回以上みられる場合(2 次定期補充療法)
週2 ~ 3 回(1 回目標因子レベル20 ~ 40%)、定期的に凝固因子製剤の輸注を行います。 - 過激な運動やキャンプに参加する予定があり、出血が予想される場合(予備的補充療法)
当日の朝に凝固因子製剤を輸注します。 - 頭を強く打った場合(特に重症型)
頭蓋内出血を予防するために早期に凝固因子製剤を輸注します。