患者さん・ご家族へ

小さな血友病の子どもさんを持つご家族へ

6.その他に気をつけて頂きたいこと

(1)予防接種

予防接種は、いくつかのウイルスや細菌感染症を予防するために、身体の中にもともとないウイルスや細菌の抗原(ワクチン)を飲むか注射して、それらの病原体に対する抗体を作ることです(多くの感染症はそれぞれの病原体に対する抗体が体の中にできると、かからずにすむようになります)。現在、予防接種は、保護者や本人に接種を積極的に受けるように勧める「勧奨接種」と希望する者に行う「任意接種」に分けられます。
血友病の子どもさんの予防接種については、いずれについても基本的には特別な問題はありません。接種後の皮下出血が心配な場合は主治医と連絡を取り合いながら、進めていかれるとよいでしょう(3.乳幼児期の出血に対する応急手当て(4)皮下出血参照)。

(2)保育園(幼稚園)への入園

基本的には問題ありません。入園に際して、子どもさんが血友病であることを理解し、受け入れてもらうために以下の対策を取るとよいと思います。

  1. 関係者に子どもさんが血友病であることを伝えておく。
  2. 関係者が血友病について知らない場合には、説明をして理解してもらう。
    その時、自分でうまく伝える自信がなかったり、うまく伝わらなかった場合には、主治医やナースに直接、説明してもらう。
    保母さんや幼稚園の先生に説明するときに気軽に使えるパンフレットや参考資料(図12)もあるので、主治医やナースにたずねてみる。
  3. 連絡ノートでの情報交換をこまめに行ない、コミュニケーションを円滑にして、親と関係者との相互の信頼関係を築くことによって子どもさんの昼間の状況を知るように努める。
  4. 緊急時の親と関係者の連絡方法をはっきりさせておく。
    万が一の場合、病院への連絡方法についても伝えておく。
    必要時、主治医から最寄りの医院や病院を紹介してもらって、緊急時の応急処置ができるような体制を作っておくとさらによい。

(2)保育園(幼稚園)への入園

図12 患者さん・学校関係者向けの参考資料

図12.患者さん・学校関係者向けの参考資料

(3)服用してはいけない薬

解熱剤の中に含まれるアスピリンは、血小板の働き(血小板は出血を止める働きがあります)を妨げます。アスピリンを含んでいる解熱剤や鎮痛剤は使わないように注意します。市販の風邪薬や解熱鎮痛剤を使用する場合には、薬局の人にたずねて確認したり、自分で説明書をよく読んで下さい。旅行先などで出血以外の症状で受診した際にも医師に血友病であることを伝えるようにしましょう。特に、薬局で売っている「小児用バファリン」にはアスピリンは含まれていませんが、病院で処方されるバファリンにはアスピリンが含まれていますので、成分の違いにご注意下さい。

(4)過保護にならないように

子どもの成長には、充分な睡眠、運動、バランスのとれた食事(栄養)が大変重要です。
どんどん活発になっていく子どもさんに運動面で制限をさせることはご家族にとっても辛いことです。身体が強くぶつかる動作、高いところからの飛び降りや、転落の危険性の高い遊具での遊びについてはできるだけ避ける必要がありますが、大人の目が届く場所では他の子どもさんと同じように遊ばせたり、運動に参加させてあげて下さい。特に、水泳は関節に負担をかけることなく、全身を鍛えることができる最も好ましい運動です。小さい子どもさんでも参加できますし、関節を守るための筋力をつけることもできます。
最近は食生活の欧米化により高カロリー、高脂肪の食物が私たちの周りにたくさん出まわるようになり、子どもの肥満や糖尿病が問題になっています。血友病であることが不憫で、子どもの望むままに高脂肪、高カロリーの食べ物を与えることは肥満につながります。肥満は、やがて関節に負担をかけるようになりますし、家庭輸注を導入する時に刺しやすい血管が見つからず親子で苦労しなくてはならない場合もでてきます。栄養のバランスがとれた食事を規則正しく摂れるような習慣を幼い頃からつけてあげましょう。幼児期は、どうしても貧血に傾きがちですので、たん白質や鉄分をうまく摂れるように心がけましょう。

(4)過保護にならないように

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