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血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

《close-up》

医師として、患者として、血友病患者の未来を拓きたい(1)

中村さん

血友病A重症型の中村達郎さんは、医師になって6年目の29歳。「患者としての経験を活かし、病気を持つ子どもやその家族の力になりたい」と、小児科医になりました。医師として忙しい日々を送る傍ら、地元の鹿児島で患者会を立ち上げた中村さんに、夢を叶え医師になるまでの道のり、患者会発足の目的などについてお話を伺いました。

活発だった子ども時代、「みんなと同じ」行動にあこがれて

小さい頃は両親から激しい運動を止められていましたが、みんなと同じように行動したくて、よく友達と一緒にサッカーや野球をしていました。両親には「友達以上に体を動かして遊んでいる」と言われるほど活発な子どもでしたね。

母が看護師ということもあり、小学生の頃から家で注射してもらうようになりました。言いつけを守らず外で駆け回り、関節が腫れてしまったときは親に注射してもらうことになります。両親は共働きなので、注射のために仕事を早退してもらわなくてはなりません。早退が頻繁だと仕事を辞めさせられてしまうのではないかと子どもながらに心配し、職場に連絡するのをためらうこともありました。両親には迷惑をかけたと反省しています。

高校に進学して自己注射を始め、学校の保健室に製剤を置かせてもらうようになりました。親の手を煩わせずに、何かあればすぐに対応できるようになり、自己注射を始めて本当によかったと思いました。

大学までは出血時補充療法や予備的補充療法をしていましたが、仕事をするようになると簡単に休めませんから、主治医の勧めもあり、卒業後は週3回の定期補充療法を始めることにしました。

主治医にあこがれ、家族に応援されて医師の道へ

医療職に就きたいと考え始めたのは、小学校低学年のときです。主治医がとても熱心な先生で、診察を受けるうちにあこがれと尊敬から「先生のように人の役に立ちたい」と思うようになりました。

高校入学後、医療職のなかでも医師という職業に目標を定めました。医学部を目指すと言いながらも勉強になかなか身が入らない時期もありましたが、厳しくも温かく支えてくれた家族のサポートもあり、国立大学の医学部に合格、夢への一歩を踏み出すことができたのです。なかでも幼少期から努力家であった姉の影響は非常に大きかったと思います。

大学進学を機に実家を離れて、一人暮らしを始めました。環境も、通院する病院も変わりましたが、治療は続けられましたから、病気のことで困った記憶はほとんどありません。移動が楽にできるように、両親から運転免許を取ることを勧められ、車で通学・通院できたのもよかったのでしょう。そういう家族のサポートがあったのはありがたかったですね。血友病を言い訳に勉強を怠けるわけにはいきませんから、周りの学生と同じように頑張りました。アルバイトもしましたし、オーケストラ部に入ってトランペットにも挑戦、充実した学生生活でした。

患者としての経験を活かして小児科医に

大学卒業後は、鹿児島市内の病院で2年間の初期研修を行い、3年目は総合内科で研修を受けました。救急にも力を入れている医療機関だったので、とてもハードでした。仕事中に出血で動けなくなったり、欠勤したりすることなく仕事をこなせたのは、定期補充療法のおかげだと思います。研修の一環として、奄美大島と徳之島でそれぞれ1ヵ月、離島医療も経験しました。離島という環境での研修を問題なく終えられたのも製剤があったからこそです。

数ある診療科のなかで小児科を専門に選んだのは、患者としての経験を活かせる領域だと考えたからです。自分が病気をかかえた子どもだったからこそ、患者さんの理解者にもなれます。

もう1つ、子どもの頃の出来事も関係しています。「どうしてこういう体に生まれたの?」と母に尋ねてしまったことがあったのです。責めるつもりはなく、病気でなければ何でもみんなと同じことができたのに、という悔しい思いから発した言葉だったのですが、母は私に謝ってくれました。大学生になってから、母を傷つけてしまった言葉だったと後悔し、母に謝り、「一生懸命育ててくれてありがとう」と伝えました。

かつての自分のように、お子さんが親御さんを責めることがあるかもしれませんが、「その間違いに自分で気がつくときがきっと来ますよ」と、自分の経験を活かして患者さんやご家族に伝えてあげられればいいなと思っています。患者さんやご家族を力強く支える小児科医になりたいですね。

L.JP.MKT.OH.07.2017.2303

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