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バイエル薬品株式会社

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節目のケアシリーズ

《こんな時、どうしたらいい?》乳幼児期編

ポートの導入・衛生管理について

1歳の血友病Aの子どもがいます。最近、足首の出血を繰り返し、その度に製剤を輸注しますが、針がなかなか入らず、主治医からポートの挿入を提案されました。ウェブサイトで、ポートを使用している血友病の子どもさんのご家族の書き込みを見てどうしようか迷っています。家ですぐにできるようになるのでしょうか?また、感染しやすいと聞いたのですがどんなことに気をつけるとよいですか?

中心静脈カテーテルやポートについては、 ECHO67号(2009年7月号)定期補充療法相談室(741KB)ECHO61号(2007年7月号)血友病レポート14(487KB)に詳しく説明されていますのでご覧下さい。基本的な知識はそちらをご参考頂き、ご相談の内容について触れてみましょう。

1.ポート挿入の判断

頭蓋内出血など重篤な出血を回避したり、血友病性関節症を予防する目的で、最近では早期の定期補充療法が推奨されています。ご相談のお子さんは足首の関節に出血を繰り返しているということですので、今後は十分な止血管理が必要です。注射に適した血管を見つけやすく、子どもの協力を得やすい場合は製剤にセットされている翼付針を用いて静脈注射が可能ですが、そうでない場合はポートからの輸注も選択肢として考慮してみてはいかがでしょうか。もし、今受診している医療機関が血友病患者さんのポート使用の経験がないのであれば、主治医と相談の上、経験のある医療機関を紹介してもらい、検討してもよいと思います。ポートを挿入するには入院の上、全身麻酔下の手術を必要とし、手術に伴う安全管理はもとより、血友病の場合、加えて十分な止血管理も必要です。主治医やポートの使用経験が豊富な医師からの意見、ウェブサイトの情報などを統合して判断されるとよいでしょう。

2.ポート挿入後の管理・ケア

実際のポートからの輸注の方法については、医師や熟練した看護師がご家族への指導を行いますが、ポート挿入後の大きな問題のひとつとして感染症の合併があります。ポート周囲の限局した感染と、カテーテルを介して起こる敗血症など全身への感染がありますが、症状によってはポートを抜去しなくてはならないこともあります。感染症対策として、ポートを扱う場合は徹底した衛生管理が必要になります。そのため、医療機関側もご家族に対して通常の家庭注射の練習より長くて厳しい指導を行うこともあります。また、ポートでの注入にはポート専用の針、消毒薬や器具など別に物品が必要になり、医療機関によっては健康保険や医療費助成制度で賄えない費用の一部が患者さんの負担になる場合もあります。消毒の材料や針の形態が医療機関によって違うこともありますので、操作方法は医療機関からの指導内容をしっかり守ることが大切です。
注射をする人への共通した注意点を下記に示します。

  1. 事前の手洗いをしっかりすること
  2. 爪は短く切りそろえること
  3. 操作中に髪の毛が垂れないようにくくったり留めておくこと
  4. ポート周辺に衣類などが触れないよう清潔な皮膚の範囲をしっかり確保し作業しやすい場所をつくること
  5. 注射が終わったら刺した部分をしっかり圧迫止血して、皮膚の表面に血液を残さないようにすること。これは皮膚の表面に細菌が繁殖する原因を作らないためで、とても大切です
  6. ポートの破損を防ぐ対策をとること。当院では転倒などでポート部に加わる強い衝撃を避けるため、特に小さな子どもさんには、ガーゼや包帯でポート部を保護するようにしています

2.ポート挿入後の管理・ケア

3.子どもの受け入れを促すための対策

ポートは通常の静脈注射に比べて痛くないと言われますが、痛みが全くないわけではありません。また、先の曲がった大きな針を胸やおなかなどに打ち込まれることは子どもにとってやはり恐怖です。そのため、当院では、慣れないうちは針を刺す約30分前に表面麻酔剤が塗布された「ペンレステープ」を貼ります。刺す時の痛みをほとんど感じないようで効果的です。痛くない経験を重ねることでポートからの注射に協力的になり、不用意な動作や抵抗がなくなってゆくと思います。また、子どもの気持ちをそらすために、好きなテレビ番組やアニメなどが鑑賞できるようにするのも効果的です。

お役立ち情報

  • 血友病輸注記録アプリFactorTrack
  • 血友病関節ビジュアライザー
  • 血友病患者さんのための情報誌「エコー」
  • かた丸くん忍法ナビ
  • ECHOミュージアム